dialog box Vol.6 REPORT!!(後編) – 声優楽曲Digの果てに見えたもの
dialog box Vol.6 REPORT!!(後編)
こんにちは。
dialog box、主催&レポート作成担当のspacetimeです。
2019/08/29(木)、「ハコで対話するイベント」dialog boxの第6回が開催されました。
前編では、moppさん、かのんびーつさん、ISHIIさんそれぞれに声優楽曲との出会いからご自身が主催されるパーティ、また声優楽曲Digの手法などをメインにお伺いしていきました。
<前回はこちらから>
dialog box Vol.6 REPORT!!(前編) – 声優楽曲の求道者たち
<最近の記事>
dialog box Tour Vol.1 : 岡山『ヲタパーティ』と岡山県のイベント事情
後編では、そんなみなさんのDigの成果である「おすすめ楽曲」「要注目コンポーザー」などに迫っていきます!
Talk Session
あなたが推す声優楽曲
※当コーナー以降、現地では紹介された楽曲をBGMとして流していました。
spacetime
さて、この時間がやってきてしまいました。
それぞれのこだわりがある皆さんが激推しする楽曲を数曲ご用意頂きましたので、そちらをご紹介いただきます。
これだけ楽曲を知る人たちが、何を推すのか?
気になるところなんじゃないでしょうか。
予想通りなのか?
はたまた、予想を覆してくるのか?
ISHII
メチャメチャハードル上げてきますね(笑)
全体的に今日。
spacetime
そんなことないですよ!
mopp
spacetime
と、いうわけでmoppさんが選ぶアルバムってなんでしょう?
って言ったらコレなんですね!
◆About
2016年発売の上田麗奈1st mini Album。fhanaの佐藤純一氏、MONACAの田中秀和氏、シンガーソングライターのrionos氏、TECHNOBOYSの松井洋平氏等、豪華な制作陣を迎え、高い音楽性から好評を博した。
◆オススメポイント!!
・声優さんが歌う面白さが詰まっていること
かのんびーつ
そりゃそうだよなー(笑)
spacetime
そして、次のアルバムはこちら。
エイベックス・トラックス (2001-10-03)
◆About
2001年放送のアニメ作品 「チャンス~トライアングルセッション~」で 使用されていた楽曲を収録したアルバム。 飯塚雅弓さん、榎本温子さん、山本麻里安さん、 子安武人さん、國府田マリ子さん、植田佳奈さん という早々たる面々のディスコ~R&Bテイストな 曲が盛り沢山。
◆オススメポイント!!
・アニメ、アイドル、声優、ラジオ等…オタクと音楽 に関する複合的な要素が含まれていること!
・もう単純に曲がカッコよいこと!
会場
おおーっ
mopp
チャンス・トライアングルセッション自体はアニゲマスターっていうラジオが元になっています。
アイドル、アニメ、声優、ラジオといったオタクの好きなコンテンツが非常に密接に結びついた作品なので、非常に考察の余地がある作品だと思っています。
あとはもう、ほんとに曲がかっこいい。
マジで聞いてほしい。
spacetime
ありがとうございます。
そして、続いての曲がこちら。
◆About
2012年に声優デビュー、声優ガールズユニット 「ワンリルキス」のメンバーとしても活動する 藤村鼓乃美さんの北川勝利(ROUND TABLE) プロデュースによるファーストミニアルバム
◆オススメポイント!!
・声優楽曲と切っても切り離せない 北川勝利さんの世界を堪能できること
・入手難度の高さ
会場
高いCDだ!!
mopp
声優楽曲では北川勝利さんのプロデュースのものがたくさんあるんですが、その北川さんの世界観を堪能できるアルバムになっています。
これ、実は非常に入手難度の高いアルバムで今はどこにも世の中にでていないらしく、この前Amazonで見たら39.000円の価格がついていました。
そして、今日はその39.000円があります!!
(緩衝材に大事に包まれたアルバムを取り出す)
私はこれ、2年間待って3,000円で買ってます。
声優楽曲ってエクスクルーシブとかダブって概念が無いので、どうやって差別化していこうかというときに、レアなCDを持っているっていうのは自分がどういう風に特別になれるかっていう指標になるかと思います。
そういう意味でも、このアルバムを是非おすすめしたいと思いました。
spacetime
ありがとうございます。
今日はこのアルバム、見れますので拝んで帰って行ってください!
かのんびーつ
spacetime
続いては、かのんびーつさんのオススメになります。
こちら!
ポニーキャニオン (2014-11-19)
◆About
2014年発売の竹達彩奈2nd Album。 プロデューサーに元Cymbalsの沖井礼二氏。
作家陣に元SCAFULL KINGのTGMX氏、赤い公園の津野米氏、サンボマスターの山口隆氏らを迎えた作品。
◆オススメポイント!!
・事件級の作家陣である事に対して無自覚 かと思うほど無邪気な歌声が乗せており
THE 良い声の良い曲
アルバム。
かのんびーつ
いま聞いて頂いているのは「週末シンデレラ」という曲です。
昭和の方は結構ご存じかと思いますが、SCAFULL KINGというバンドがありました。
で、この曲を書いているのがその元SCAFULL KINGのTGMXさんです。
さらに、この曲のベースを弾いているのがthe band apartの原さんです。
僕の中で声優楽曲のルールがあって、”声優さんが、その豪華さを感じさせない無邪気な歌声”というのがあって、そもそもプロデューサーが元Cymbalsの沖井礼二さん。
作家陣も超豪華な半端ないメンバーで、花澤香菜さんがアルバムを出したときに沖井さんが「俺はこう行くぞ!!」と出した意欲的なアルバムなんですね。
ただ、それを全く感じさせない無邪気な声!!
これが、いい声のいい曲なんです!!
会場
いいぞ!!!(拍手)
spacetime
このイベント、レポート起こすんですけど書いて大丈夫ですか?(笑)
かのんびーつ
お願いします!!!
まるーく書いてください!!
竹達彩奈さんのいいところは、無邪気さなので。
spacetime
次の曲は、こちら。
CLINCK RECORDS (2016-12-28)
◆About
“無果汁団” (ex. blue marble)プロデュースによる、最新型ラグジュアリーポップの決定盤、 井上ほの花がファースト・フライト!
◆オススメポイント!!
・Track3 : 虹のファンタジア では実の母である井上喜久子さんも ゲスト参加しておりおねティー世代も にっこりな1枚
かのんびーつ
聞いて頂いているのは、ファーストアルバムより「スパークリング・チャイナタウン」です。
楽曲的な話は実はこの後ゆっくりする機会があるのでここでは省きますが、オタク的な要素を解説すると井上喜久子さんの娘さんである井上ほの花さん。
じくうさんも世代だと思いますが、井上喜久子さんといえばおねてぃですよね。
spacetime
僕はどちらかというと、ああっ女神さまっのベルダンディー世代ですね!!
かのんびーつ
なるほど!そうですよね…
今回は音楽が好きな方が多いと思ったので、7インチ版も選ばれているこの曲をかけさせて頂いているんですが、アルバムの推しとしてはTrack3の「虹のファンタジア」。
お母さんである井上喜久子さんがゲストボーカルとして参加していて、もう聞いたら無条件に泣くんで、ぜひともこのアルバム買ってください。
Amazonで定価で売ってるので、入手しやすいです。
全曲いいっす。
spacetime
井上ほの花さんね、17歳の娘さんがもう21歳ということで。
僕は井上ほの花さんが17歳になるときに「どうしよう!!どうしよう!!!!」って色んな方に錯乱しながら訴えかけていたんですが、そんな娘さんももう成人も超えているんですよね…
お母さんはまだ17歳で、メイド服とか着てますが…
メイド服
好きなんだから
しかたない (^_^;) pic.twitter.com/UCagwtmFVx
— 井上喜久子(Kikuko Inoue)&スタッフ (@atmanbow_staff) August 17, 2019
井上ほの花さんといえばメルクストーリアというアニメで親子役で出演されていたんですが、もう抜群に演技がうまくて。
会場
パズドラもですよ!!
spacetime
えっ、そうなんですか!
すいません、声優さんの話になると(個人的に)盛り上がっちゃって…
かのんびーつ
ナナシスのLe☆S☆Caの新しいメンバーなので、みなさん井上ほの花さんをよろしくお願いします。
spacetime
では、次のアルバムに行きます。
かのんびーつ
何だっけ…
あー!!俊龍!!
日本コロムビア (2014-03-26)
◆About
文化放送「A&G NEXT GENERATION Lady Go!!」オープニングテーマ
◆オススメポイント!!
俊龍、紛れも無い俊龍。
脳みそが思考するなと訴えかけてくる。
俊龍節全乗せ楽曲。
かのんびーつ
もう言わなくてもわかるよね…
これ、楽曲的に解説するとこれってこの曲すごくマスタリングが良くない。
なのに、湧き上がる。
これって、音楽なんですよね…
ちなみにLady Go!!聞いてた方、何曜日が好きでした?
mopp
水曜日!!水曜日!!
※水曜日は大久保瑠美さん担当
かのんびーつ
この曲ってちょっとだけエモ話をすると、MOGRAでやってる「声クラ」のテーマソングなんですよ。
聴覚彼女が形成されたひとつの流れとして、声クラさんにすごくバイブスを頂いているんですけど、声優ラジオのテーマソングがこれだけ盛り上がるっていうのを声クラさんで見て、聴覚彼女でもOpen Tuningがアンセムになるように…と立ち上げたという経緯があります。
結構思い入れの深い、俊龍さんの曲です。
ISHII
spacetime
では、続いてはISHIIさん。
1曲目はなんでしょうか!?
(イントロを流す)
◆About
1999年発売の水野愛日2nd Albumより。
ジャニーズクラシックナンバーを多数手がけている作詞の森浩美と編曲の長岡成貢の手よる流麗なハウスナンバー。
声優レアグルーヴはこの曲をきっかけに始まったと言っても過言ではない。
◆オススメポイント!!
・音の良さ 特に低音
・歌唱とオケの奇怪なアンバランスさ
会場
ああぁぁぁぁ~~~~~
ISHII
これはですね、「水野愛日のHARAPEKOPAI」という番組がありまして、そのエンディングテーマとなります。
あの、一番いい曲です。
99年当時、ジャニーズの曲などをがっつりやっていたCHOKKAKUさんや長岡成貢さんががっつり編曲で入っているアルバムです。
これ、BOOK OFFで安価に買える中で一番いい。
この曲をどんだけかけてどんだけ評判になっても、このCDだけ全然値が上がらなくて。
まだ手に入りやすいので、まだお持ちでない方は是非手に入れてください。
声優レアグルーヴというイベントは、僕がハウスのイベントに出演したときに犬重さんとご一緒になって、この曲がかかったときにレスポンスがあって。
ああ、こんな曲が声優さんの楽曲にはあるんだ、って。
そういうきっかけになった曲です。
まず、何がいいって音がいい。
メチャメチャ音がきれいに分かれているんですね。
低音とホーンセクションみたいなものがちゃんとわかる。
あとは歌唱と音のアンバランスさが相当に魅力的。
水野愛日さんが好きなこともあって歌唱は80年代アイドルっぽいんですが、サウンドは完全に90年代以降のアシッドジャズ以降のハウスなんです。
こういう曲って、声優さんの曲でしかありえないと思います。
spacetime
続いては、こちらの曲です。
Universal Music =music= (2015-02-25)
<原盤>
https://www.suruga-ya.jp/product/detail/121001594
(駿河屋にしか画像がありませんでした…)
◆About
1990年発売の草尾毅1stシングルより。
ゴダイゴのタケカワユキヒデ、アレンジはKAZ TOYAMAによる声優フリーソウル歌謡
◆オススメポイント!!
・元ネタとの聞き比べ
・男性声優特有の甘い歌声
会場の犬重さん
いいセーター。いいセーター。
(駿河屋のリンク参照)
ISHII
こちら、声優レアグルーヴVol.2の1曲目に収録した曲なんですけれども、洋楽元ネタ丸々カバーものなんですね。
そういうのも実はちょこちょこあるので、そういうのを探すのも面白いなと。
spacetime
草尾毅さんって、90年代当時は勇ましいアニメソングを歌っているイメージが強かったですね。
ラムネ&40とか、スーパービックリマンとか。
ISHII
男性声優って不必要なエロさみたいな、過剰な色っぽさみたいなものを出しているのですごく魅力的なんですね。
それが実はAORとかソウルフルなものとリンクするのがこの曲です。
一緒に洋楽を用意してたと思うんで、そちらをかけてもらえますか?
Imports
ISHII
これが元ネタです。
メインのリフが全く一緒。
声優レアグルーヴは、僕らが全く意図したわけではないんですがVol.1、2ともに1曲目が元ネタそのまんまシリーズなんです。
こういう風に、音楽と結び付けて考えていくのもすごく面白いんじゃないかなと。
spacetime
次の曲はこちらです。
◆About
小泉今日子、おニャン子などの作・編曲を
手掛けた山川恵津子全面プロデュース。
「Dr.スランプ」アラレちゃん、「キテレツ大百科」コロ助、「魔法のプリンセス」ミンキーモモ、などの声で人気を得た声優、小山茉美のアルバム(1985)。森達彦のプログラミングによるシンセ、サンプラーを多用したモダン・エレクトロ。
村上秀一 (ds)、他 豪華ミュージシャン達も
多数参加。同時代のニューウェーヴを超える先鋭性/実験精神/完成度は驚き。
◆オススメポイント!!
・同時代の和モノとしても評価される格好良さ
・実は80年代にも名曲多し
かのんびーつ
うわー、めっちゃいい曲だー!!
ISHII
こちら、ジャケットのところにもあるんですがラグジュアリー歌謡レーベルなんですね。
さっきの井上ほの花さんも一緒のレーベルで、このアルバム自体が東北新幹線というユニットの山川恵津子さんが全曲プロデュースしていて、言ってみれば山下達郎さんまわりのアレンジャーで。
ミュージシャンもその当時の一線級をしっかり入れて、ニューウェーブやブギーみたいな、2019年という現代に聞くとさらに良さが深まるようなアルバムかなと。
和モノのディスクガイド、それこそラグジュアリー歌謡みたいなガイドにも出てるんですが、こういう並ぶものが実は80年代ってしっかりあるんです。
例えば、さっき挙げた山下達郎さんが書いた中尾隆聖さんの曲とか。
80年代はCDになってないからみんな見過ごしてるんですが、レコード掘っていくと面白いんじゃないかなと。
spacetime
ISHIIさん、4曲目もご用意頂いています。
◆About
マリ姉の愛称で親しまれ、特に90年代のアニラジ、声優雑誌で絶大な人気を誇った國府田マリ子の5thシングル。
表題曲は種ともこの同名曲のカバー。
◆オススメポイント!!
・90年代ガールズポップらしい、シンプルだけど歌声を引き立たせるアレンジ
・元曲よりもグッと感情を込めた歌唱
spacetime
これ、これですね!!
かのんびーつ
めっちゃ嬉しそう(笑)
spacetime
いやいやいやいやいや!!
もうね!!
拍手!拍手ですよこんなの!!
ISHII
これ、宇宙で一番いい曲ですね。
ああ~、いい曲だなぁ…
spacetime
超いい曲ですね。
ISHII
これ、実はカバーなんですけども、当時のアニラジのスーパーアニメガヒットTop10という岩男潤子さんの番組があったんですが、そちらでずっとかかってたんですよ。
で、「なんていい曲なんだ!!」って感動して、その時の感動を持ってこの間の声優レアグルーヴでもかけたんです。
まだ、なんていい曲なんだ!っていう感覚を持ちながらかけてて、やっぱりそういう思い入れを一つ入れてかけるっていうのも声優レアグルーヴのDJの魅力なのかなと。
こんだけ楽曲って売ってても、思い入れが入るってのがひとつ醍醐味ですね。
原体験のひとつです。
spacetime
國府田マリ子さんの「となりのお姉さん感」っていうのはすごいものがあって、当時のオタク少年たちが布団をかぶって夢中になって聞いていたのは、この國府田マリ子さんの甘い声なんですよ。
「合言葉はBee!」というキーワードで当時のオタクたちを一体化させてしまった。
当時の事は本当に思い出すだけでもすごかったと思います。
会場のぐりさん
声がデカい!!
spacetime
すみません、こういう話になると気持ち悪くなっちゃうので…
かのんびーつ
メチャクチャ嬉しそうじゃないですか!
spacetime
國府田マリ子さんの曲は全体的にいい曲ばかりなので、ぜひ聞いてみてください!
ISHII
いま90年代ガールズポップって再評価の流れが来てて、それこそ東京事変の亀田誠治さんとか。
かのんびーつ
ちなみに、平成生まれは「合言葉はWHO」なんですよね。
mopp
そうそう、鷲崎健さんが作詞の。
インターネットラジオステーション<音泉> (2018-09-26)
spacetime
すみません、昭和生まれは曲と共にフェードアウトします…
spacetime
spacetime
あんまり時間もないんですが、とっても楽しそうなので僕も2曲だけ紹介をさせてください!
1曲目はこちら。
ポニーキャニオン (2013-07-17)
◆About
日笠陽子さんによる豪華作曲者とのコラボレーションアルバムの中の一曲。
こちらは、作編曲があの小室哲哉。
◆オススメポイント!!
・とにかく小室哲哉
spacetime
こちら、いろんなコンポーザーさんと日笠陽子さんがコラボレーションしたアルバムなんですが、その中の一人がなんと小室哲哉さんです。
で、この曲があまりにも小室哲哉。
聞いて5秒で小室哲哉。
おそらく、小室哲哉が1日で作ったか30年寝かしたかどっちかの曲なんですよ。
と、いう曲をこれからかけるのでどれぐらい小室哲哉か堪能してください。
spacetime
もう小室哲哉ですね!
あの人の手癖みたいなものがすべて集まってる。
これが5分間ずっと続くんです。
mopp
俺が96年に聞いた音楽と全くおんなじですね!
spacetime
ただ、この曲めっちゃいい曲なんですよ…
ISHII
これでも結構歴史的で、小室哲哉さんが声優さんに書いた曲はこの1曲だけなんですよね。
※編曲の渡辺徹さんもがっつりTM Networkに影響を受けていた方の模様
https://avexworldaudition.com/2008/blog/2008/11/post-23.html
spacetime
そして、僭越ながらもう1曲紹介をさせて頂こうと…
何にしようかな?
ってすごく悩んだんですけど!
この曲です。
※amazonに画像が無い…
◆About
TV版「天地無用!」(1995)の最終回にて、1度だけ流れた挿入歌。
魎呼役の折笠愛さんをVocalに据え、枯堂夏子氏、藤原いくろう氏、長岡成貢氏という当時のパイオニアLDC最強布陣にてリリースされた伝説の一曲。
◆オススメポイント!!
・25年を経た今も色褪せない完成度
・どんな楽曲ともマッチする親和性がDJにとてもやさしい
(イントロで爆笑)
spacetime
予定調和のようで申し訳ないのですが、僕がDJをする際、最後にかけることが多いのがこの恋愛の時空です。
この曲とはいったい何なのか?
という部分を、少しだけお話をさせてください。
この曲は、1995年に放映されたTV版の天地無用!というアニメが昔あったんですよ。
OVA版ではなく、テレビ版です。
それも最初のほう。
新天地無用ではありません!
その最終回で、1回だけ流れた挿入歌です。
当時、パイオニアLDCはとても勢いのあるソフト会社で、その中で作詞 枯堂夏子さん、作曲 藤原いくろうさん、そして編曲 長岡成貢さんという当時のパイオニアLDCの最強布陣にて作られた楽曲に対し、魎呼役の折笠愛をボーカルに据えた究極の1曲なんですね。
いま聞いても全然色褪せず、今でも愛を持って向かい合っている曲です。
今でもBPM130近辺なら必ず入れられるDJ的な懐の深さも、DJにとてもやさしい。
僕はこれからもこの曲をお届けしていくと思うので、どこかの現場で聞いた方は「ああ、こういう背景があるんだな」と思いを馳せて頂けると幸いです。
要チェックの声優コンポーザー
spacetime
このコンポーザーさんが書いてる曲は間違いない!
という楽曲があると思います。
その要チェックの方々をゲストの皆様にご紹介いただこうと思います。
mopp
spacetime
お一人目は、moppさんから。
Lyrics/Compose/Arrange
愛媛県のCM制作会社にて多数のCMソングを手がける。
アコーステックジャズポップスバンドで関西、中国、四国地方をストリートライブツアーをするなどバンド活動も並行して活動する。
CM音楽を制作する中、映像と音楽が合わさる瞬間に見せられ作曲家を志す。
2012年より上京し、作編曲家として活動開始。同年10月よりSUPALOVE所属JPOP、CMなどのいろんなフォーマットにジャンルレスに作編曲していく。趣味は読書。
出展元:SUPALOVE公式サイトより
おすすめの曲
・「Yellow Sweet / 内田彩」 (From Al.「ICECREAM GIRL」)
おすすめポイント!
・発売即アンセム!
・クラブ環境で聞きたいサウンド!
http://onabenchinthepark.hatenablog.com/entry/2018/12/11/030846
mopp
hisakuniさん、SUPALOVEの方です。
詳しい説明は記載の通りなんですが、「何が一番いいんですか?」というと、いま数ある声優楽曲パーティの中でこの方の曲は必ずピークタイムでかかります。
声優さんが好きです、アニメが好きですという方はたくさんいらっしゃると思うんですが、そういう方がパーティに通う中で最初に覚える方はこの方なんじゃないかと思います。
本当にいろんな曲があるんですが、今かかっている曲が内田彩さんのYellow Sweetという曲になります。
本当に、この方が曲を書きましたってときはだいたいアンセムになります。
ほんとにこれはそう。
DJとして「この曲をみんなに届けたい!」って曲も、この方が書いてます。
with youって曲なんですが…
特にいま、いろんなところで声優楽曲パーティが流行っていますっていう話をしたと思うんですが、声優さんの楽曲の中でもクラブの環境で聞きたいサウンドかなって。
そういう意味で、コンポーザーとして追いかけるならこの方だと思います。
かのんびーつ
hisakuniさんってクラブナイズした楽曲も良いんですが、僕の中では悠木碧さんの「帰る場所があるということ」というすごくいい曲のイメージが強かったですね。
かのんびーつ
spacetime
続きまして、かのんびーつさん。
Lyrics/Compose/Arrange
Sizuk Entertainment所属。
2007年10月、茅原実里「Contact」収録曲(「too late? not late…」と「mezzo forte」の2曲)にて作曲家デビュー。
プロデューサー集団Sizuk筆頭の作曲家[5]ということ以外はプロフィールなどが不詳であることから、謎の多い人物とされている。
ゆいかおりの実最終回にてサプライズ出演した際は甘い声で僕を魅了した。
出展元: wikipediaより
おすすめの曲
・「Hello My Revolution/ 田所あずさ」 (From Beyond Myself!」)
おすすめポイント!
・パンチ!
・A/BメロはマイナーコードでサビでメジャーコードのTHE 俊龍節!
かのんびーつ
俊龍さんを音楽的に解説すると、80年代後半にあったイントロがメジャーコードでAメロがマイナーコード。
明るく行って、ちょっと落として、サビで爽快感を出すっていう。
これって、成長なんですよ。
希望を持って声優業界に入ったら意外と苦難がいっぱいあって、でも乗り越えた先に成功があるっていう。
田所あずささんのデビュー曲「Hello My Revolution」まんまじゃないですか!
(楽曲をしばらく聞き入る)
…無理!
田所あずささんはホリプロの公式チャンネルを見るとオーディションの動画が上がってるんで、マジで見てください。
和島あみさんと田所あずささんのやつはマジで見てください。
さっきもちょっと言ったんですが、俊龍さんの良さって僕の原体験の部分があって、学生の頃はハードコアバンドをやってたんですね。
で、その頃の主流ってMyspaceっていうのがあって、あれって何かっていうとインディーズがどれだけ羽ばたけるかっていうやつだったんですね。
で、俊龍さんって元々師匠のコンポーザーがいて、その方に「荒削りだけどお前にはセンスがある」って言われてがんばったプロデューサーなんですね。
これってほんとにインディーズマインドなんですよ。
一部が光っているセンスで突き進むっていう人達。
僕は思うんですが、今の声優さんって万能タイプが多いんですね。
万能タイプが多いんですが、田所あずささんは1つが特に輝いているんですね。
っていう声優さんとの対比をしたときにエモが数千倍になるんですよ。
だからもう、一つ一つの輝いているものが合わさると「+」ではなく「×」になるという好例なので、ゆいかおり楽曲もめっちゃいいんですが、田所あずささんのHello My Revolutionはマジでもう無限大なんで。
マジで聞いてください。
ありがとうございました。
この話すると長くなるんで…
spacetime
俊龍さん、今回の件で調べたんですがOur Steady Boyの方なんですね。
かのんびーつ
そうです!
アワステの話をすると6時間かかります!
spacetime
僕も話をしたいですが、それは今度にしましょう。
ISHII
spacetime
最後は、ISHIIさんのおすすめコンポーザーです。
作曲家/編曲家/音楽プロデューサー
1961年 三重県伊勢市生まれ。EXILE、SMAP、中島美嘉、嵐など多数のアーティストの楽曲提供、編曲、プロデュースのほか、TBS日曜劇場『JIN-仁-』、映画『桜田門外の変』など、映画、ドラマ、アニメ作品の音楽制作に携わってきた。Seikou Nagaoka名義でソロアーティストとしても活動し、ジャザノヴァ、ジャイルズ・ピーターソン、など多くの海外TOP DJ達に熱烈な支持を受け、ロンドン・クラブシーンでヒットした「Speed of Love」は90年代UKジャズ・ファンクのクラシックになった。
おすすめの曲
・「Carry Out!/ 中島愛」 (From Al.Thank you」)
おすすめポイント!
・本格派クラブサウンド!
・印象的なピアノ、ストリングス、ホーンセクションの使い方
spacetime
最高!!(裏声)
ISHII
弊イベントにてトークゲストとしてお話を伺う機会がありまして、そのあとゲストのじくうさんに長岡成貢さんオンリーでDJをやって頂いて、ゲストにすごい試練を与えるということをやりました。
やっぱり、ポップスなんだけどちゃんとクラブミュージックなんだよなあっていうところでは、おそらくこの方の右に出る人はいないだろうなと。
声優レアグルーヴっていろんなアレンジャーが入る中で、この方だったら必ず信頼できるっていうのは実はあまり無いんですが、その中の数少ない一人ですね。
で、今かかっているのが中島愛さんのCarry Out!という曲なんですが、実はこれ話を伺ったときにさっきかけたspeed of loveが元になっていると。
ああいうイメージで発注が来たそうです。
「ですよね」っていう。
ハウスの楽曲って、引っ掛かりが無いように作るものなんですが声優さんが歌うことである意味での引っ掛かりができる。
それが魅力ですよね。
あと、トークの時に話されていた「低音命!」「ベース命!」っていうのもエモかったですね。
spacetime
長岡成貢さんはアニメやドラマ、映画の劇伴などでもとても活躍されている方なんですが、例えば僕が大好きな天地無用!や神秘の世界エルハザードなどに対して、その世界観を的確に表現しているんですね。
SFの中に和風を入れた感じだとか。
時代劇だったらその時代の音をちゃんと作る。
クライアントもファンも、ちゃんと納得の素晴らしい仕事をする本当にプロの音楽家の方ですね。
最近のアニメですとストライクウィッチーズなどに携わっていて、その他もいろんなところでお名前をお見かけするかと思いますが、絶対に間違いのない方なので。
僕も一押しですね。
かのんびーつ
テレビナイズなので、65Hz以下は切るんですよね。
テレビに最適化された音声で、クラブミュージックの限界を作っていってる方です。
っていう話をいつかしましょう(笑)
注目のパーティーとDJ
spacetime
声優楽曲パーティ、増えてきました。
またDJさんも増えました。
おすすめなど、教えてください。
mopp
mopp
私は、東京のかりをさんという方をご紹介します。
かりをさん、何がいいって私が声優楽曲っておもしろいよねっていうポイントを一番抑えている。
具体的に何かっていうと、ニュー・シネマ・パラダイスのサンプリングが取り入れられている「毒の手」という、上田麗奈さんの曲をかけた時に言おうと思っていたんですが、「色んな声が聴ける」ということで。
よく声優さんって「アイドルと何が違うの?」と聞かれるんですが、一番違うのがここだなと。
キャラクターによって明るい声も暗い声もありますし、めっちゃ音痴な歌から本気を出したらメチャクチャうまいとか。
かりをさんのDJは明るい曲からすごくクールな曲まで、声優さんが持っている声の魅力を堪能することができる。
そういうことからオススメさせて頂きました。
かのんびーつ
かりをさん、前回出演したイベントの解説blogがあって、そのmixがめっちゃ良かったですね。
Twitterから辿れるので、ぜひ聞いてみてください。
"Voice Link 再現MIX"https://t.co/SFOFJrsJiX
8月24日、新宿azitoにて行われた声優楽曲DJイベント #Voice_Link の再現MIXを録りました。
新しめの選曲ながら、様々なジャンルを横断する挑戦的な内容になった気がします。
シューゲイザーから踊れるところまでとガジェプリの前後がお気に入りです! pic.twitter.com/IUQc0xXsGK
— かりを (@Ru_Kario) August 26, 2019
かのんびーつ
かのんびーつ
DJ、めっちゃ悩んだんですが沖縄にTujiiくんというDJとみーやくんというDJがいるんですが、Tujiiくんが完全に音楽で声優を捉えているDJなのに対して、みーやくんはバックボーンで声優を捉えているんですね。
この二人が沖縄で「声になりたい オーディトリアム」というパーティをやっていて、これがほんとに声優さんの良さを360度凝縮したイベントになっています。
沖縄、意外とアニメやってるの?と言われるかもしれませんが、アーススタードリームがアンセムみたいな独自の文化があるので。
ISHII
沖縄ってチャンネル2つしかなかったんじゃなかったっけ?
かのんびーつ
いやいやそんなことは!
僕もお風呂場でなんとかTokyo Boogie Nightを聞いてたぐらいなので、意外とオタクカルチャーは浸透していますね。
ISHII
ISHII
僕は大阪から来ているので、大阪のVOICE FESTIVAL(ボイフェス)というイベントをやっているBALさんをご紹介します。
ザ・オタク。
キツいオタクというやつですね。
先日の平野綾さんのライブに最前列で行ってたといういわゆる厄介な人なんですが、BALさんのDJってすごくいいんですね。
かのんびーつ
めっちゃいいですね。
ISHII
当然その箱に合わせて、いわゆるライブ的なオタクに盛り上がるところをやっても良いし、去年声優楽曲について語るイベントをやる時にBALさんにラウンジ的なDJをお願いしたらそれもまた良くて、美意識がしっかりあるDJなので、音楽がどうとかじゃないんですが、オタクを極めていくと音楽的にも整備されるっていうのが体現されてるDJさんで。
かのんびーつ
元々、BALさんってハードコアが好きなDJさんですよね。
ISHII
知ってる知ってる。
キャップがそうだしね。
かのんびーつ
そうそう。
Suicidal Tendenciesのキャップかぶってて。
大阪出身のSANDっていうバンドも好きなオタクです。
ISHII
俺、絶対にライブで連番したくない。
絶対嫌だけど、めちゃめちゃDJいいんですよね…
おわり
spacetime
というわけで、本日はここでおしまいです。
moppさん、かのんびーつさん、ISHIIさん、ありがとうございました!!
おしらせ
今回ご参加頂いたISHIIさん所属の声優レアグルーヴさんによるディスクガイド最新版!
この記事では網羅できていない、更に深い声優楽曲の世界を垣間見ることができます。
こちらも是非!
また、moppさんオーガナイズのJuke Voxによる新作Mixのオーディオコメンタリー企画も!
GWの自宅待機のおともにいかがでしょう?
【オーディオコメンタリー】#Juke_Vox
5/6(水) 20:00-22:005/2のパーティーがなくなってしまった分 @kersin15 @yoshid_a__a 2名の新作mixベースにオーディオコメンタリー配信(+お絵かき森)をやります!
声優さんの話、音楽の話、その他など、会話内容次第で少し延長しそうですが何卒! pic.twitter.com/lWNzatMqLY
— mopp (@mopp1076) May 1, 2020
今回のBGM
Talk Session BGMのご紹介
-Diverse System-
AD:HOUSE 7
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